日本型アトピー治療勉強会テキスト10
■ 治療後、私が考えた費用と時間、ストレス、後悔
治療体験者としてのアドバイスを正直に書きます。アトピーは近代的な治療を必要としている単に病気でした。
“標準治療”を長い間続け,そして,挫折せざるを得ない体験をして,想像を絶する症状となることは,アトピーという病態そのものより患者に苦痛と精神的傷をもたらしたと今実感できます。(私は治療後10年経ちました)
それを私は「日本型アトピー」と名づけることにしました。
それは,病気そのものより,リバウンド体験,民間療法などにお金を払い続ける体験,社会生活がまるで困難になる体験をまるごとふくめた,医療との関係性と皮膚病と人生の苦闘であった。
あれはなんだったのだろう?と考えることがあります。
アトピーとは適切な治療が必要な単に病気であるならば,
仕事や生活に支障をきたすように精神論で我慢する必要はありません。非科学的なケアに費用を払うことに意味はありません。 非科学的な情報にまどわされて胃が痛くなったり、苦しんだり落ち込んだり、不信感を抱き続けることに意味はありません。
私たちがただただ近代的で適切な治療を求めることは
人間として、現代人として当たり前のことです。
私は約10年間の精神論で我慢していた時期、目に見える費用コストは膨大にかさみました。
つらい期間の働けない時間の損失、友人、家族とのトラブル、自分自身の自信喪失、そしてなんと言っても毎日の強烈な精神的なストレスの影響は計りようもありませんでした。
例えば私の例ですと思い出せるだけで、
10年間に4回入院、 1回の入院が2〜3週間でした。
普通の病院、約15万×2
後半の2回は東洋医学漢方治療の病院に入院をしたので約25万×2
温泉湯治に述べ6ヶ月ほど行ったので180日×5千円
漢方治療を4年続けたので 1年間約30万×4
この期間の交通費やその他細かい経費は除いて。
合計 約300万円でした。
ご多分にもれずにこの期間に○○○○スを買ったり、水治療をしてみたり、お風呂に入れる、ありとあらゆるモノを購入したり、民間の軟膏を買ったり、炭をかいつづけたり、 あげるときりがないですがたぶん軽く100万円は使っています。
もう何年もたっているので正確にはどのようにして費用を工面したかは覚えていませんが
前半戦はサラリーマン時代の僅かな貯金を食いつぶし、恥ずかしながら両親や親戚に治療費を援助してもらっていました。
後半はアルバイト(フリーとして仕事を知り合いにもらっていた)でした。
なにが一番つらいかというと、
精神論的治療は「ゴールのないマラソン」な事です。
ここが自分の人生で一番つらいときだ、ここを乗り切ればなんとかなると思えれば、、、。借金もできるし我慢もできるし、
スキーだ、友達と飲み会だ、恋人だ、仕事だ、結婚だ、などに目
もくれず治療に集中して頑張り、自分が食っていく最低限の仕事をすればいいのですが、
「治らない」「繰り返す」「毎日つらい」が何年も続くとほんとうに体の底からへとへとになりますし、生きている意味がわからなくなります。
「どうして自分はこんなに毎日つらいのだろう」と何年も考え続けました。
しかしゴールは見えないのです。
いま考えてみると、本当に無謀で危険な事をやっていたのだとつくづく思います。
ゴールは見えるはずもありません。走っている方向が最初から見事に間違っていたのですから。
闘病期に使った約300万円+社会生活ができなかった数年間の時間+精神的強烈なストレス,貴重な時間の損失+友人等の損失、精神的な傷。これらは私が起こしてしまった現実です。
現状を嘆いても,誰も助けてくれませんでした。
自分が患者ではない方の「○○○はアトピーにいいよ」という言葉も悪気がないだけにとても苦しいものでした。
病気には,適切な治療が必要だったのです。
お金はとてもたいせつです。海外の医療は日本の健康保険が使えません。高度な医療を受けるために加入している「保険」を上手に使うことはとても重要だと身にしみました。

2010年03月30日
アトピー治療費用の本音と後悔
posted by AA-J at 11:50| ---勉強会テキスト