正しく科学的な治療を模索している日本のアトピー患者さんのためにアメリカの皮膚医学博士 Dr.Mathesonによる「オレゴンメディカルリサーチセンター 総合皮膚科病院」OMRC(オレゴン州ポートランド )特別アトピー治療(4週間の集中治療と1年間のセルフケア問診指導)プログラムです。
ホームステイをしていた学生さんを診察したことから始まって、12年間で320名の日本の患者さんを治療してきました。 Dr.Mathesonはアメリカ皮膚医学博士、皮膚科学の専門医です。彼はこれまで20年以上に渡り、研究・診察を行ってきました。 現在、大学の顧問教授をつとめながらフルタイムで医学研究を行っております。

ROBERT T.MATHESON,M.D.
名前:ロバート マセソン
(メディカル ドクター アメリカ皮膚医学博士)
出生地:アメリカ合衆国ユタ州ソルトレイクシティ
生年月日:1947.2.23
A Letter to Japanese Atopy Patients from Robert T.Mathseson, M.D Dr.Matheson's First Japanese Patient.
日本の患者さんへ(ドクターからお手紙から)
日本人の初めての患者さんは、ポートランド(オレゴン州)にある学校に留学生として来ていたかわいらしい19才女性でした。彼女はとてもひどい症状のアトピー性皮膚炎を子供の頃から患っていました。ニューヨークのあの有名なカーネギーホールで 演奏できるほどの才能あるピアニストであった彼女ですが、アトピーのひどい症状 (特に顔に出た症状)が原因でその機会を失ってしまいました。
彼女と彼女の家族から病歴を聞き、過去の治療方法の確認、肌状態の検査、そして、 彼女の肌と鼻から培養されたバクテリアを採取しました。(その時彼女には、急な悪化を抑えるためのコルチコステロイド注射と肌と鼻のバクテリア繁殖を抑えるための抗生物質治療をはじめていました。)これらの治療をすることで、かゆみや引っかき傷を防ぎ、安心して睡眠がとれるようになりました。そして肌の表面を修復、それを維持するために「水和」「潤滑剤」プログラムがはじめられました。

2週間が過ぎた頃、クリニックにやってきた彼女は本来の明るさを取り戻していました。短期治療として小範囲でのみ使用された(効き目が急激ではない)ステロイド軟膏が彼女の体内から徐々に消え去りました。引き金となる要素として、感染、間違った入浴、肌の刺激(肌をさらすことによる)、日焼けと発汗、精神的ストレス、アレルギーがあり、それらは無理をしたり、現実からの逃避により引き起こされたとされました。
その後、1ヶ月経った後も彼女はピアノコンサートに参加したり、アトピーとの付き合い方について学んだと、とても良い状態が続きました。私はその後も年に1.2回、季節の変わり目でアトピーが再発した時に彼女に会いました。急な悪化について は短期間のコルチコステロイドで治療をし、あとは彼女自身に自己管理をしてもらうようにました。学生生活を終えた彼女は日本へ戻り、男性とめぐりあい、やがて結婚をし、妊娠をし、元気な男の子を産みました。
それから6年経った今も、私が日本へ 旅行に行った際やここアメリカでも彼女に会っています。我々の治療法と処方している薬を上手に利用して、彼女の生活は続いています。
More Japanese Patient.
この最初の日本人患者の後、口伝えでポートランドにあるクリニックにアトピーを治したいという日本人の患者さんが来るようになりました。一人もしくは何人かのグループで高沢さん(ポートランドに住んでいる日本人女性)のお宅に滞在しました。彼女は乗り物のチケットやホテルの手配、そして患者さんの通訳をつとめてくれました。1ヶ月の滞在後、彼らのアトピーもおさまり、肌への配慮を学び日本に帰っていきました。薬による治療と処方は彼らが必要な時に郵送しました。時々起こる急な症状の悪化については、短期間の内服用コルチコステロイドと抗生物質で治療を行いました。患者さんによっては、更にアレルギーとの関係性を知り、引き金となるものや再発を防ぐためにパッチテストのような検査を希望する人もいました。
200人以上の日本人の患者さんを治療してきました。患者さんは子供から大人まで様々です。多くの人は日本の病院で長期に渡りアトピー治療を行ってきた方でした。彼らはなんの改善もされないまま何十万ドルものお金を費やしていました。多くの方がたくさんのアトピー傷で全身を覆われていました。多くの方が一晩 中体を引っかきながら眠れないという経験がもっていました。
多くの方が肌の調子が 改善されることのない、けれど使わないと激しいリバウンドに襲われる強すぎするステロイドクリームでの治療を行なっていました。これらの患者さんのリバ ウンドは薬によって手におえない状態になっていました。多くの方が精神的に追い込まれており、良い治療法を必要としていました。多くの方がアレルギーを持ってお り、パッチテストをする必要がありました。
全ての人がその引き金となっていたものに気づき、自分自身を上手にコントロールすることが出来るようになりました。アトピーに最も重要とされる日々のスキンケア、引き金となる要因のコントロール、バクテリアのコントロール、かゆみのコントロール、急な悪化に対する認識などを学びました。そして適切で科学に基づいた正しいステロイドの使い方を(副作用のない、また使用をやめてもリバウンドを引き起こさない)学びました。
彼らはただただ近代的で正しい、そして科学的な治療を求めていたのです。
1998年の12月、私は皮膚病学協会を去り、オレゴンメディカルリサーチセン ターへ入り、研究に励みました。1999年の春、私は妻と高沢さんと共に多くの患者さんと会うために日本を訪れました。日本にいる間、その患者さん達にアト ピーに苦しむ患者さんをもっとみてくれるよう言われました。
彼らは口々に多くの患者さんが治療をする為に1ヶ月アメリカに行くのは難しいと言い、私もそれを理解し、年に2回日本に来て治療することを決めました。高沢さんと私はそれらの治療に処方出来る医薬を持って日本に来ます。その後必要となったものについてはア メリカから送ります。患者さんとは高沢さんを通してEメールで交流を取り、私が日本を去っても急な悪化に対応出来るようにしています。そして、私はポートランド、オレゴンメディカルリサーチセンターで日本人の患者さんを診察することができます。
*このお手紙は2000年のものです。現在ドクターの来日診察は予定がありません。
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ドクターからのお手紙,質問への回答を頂きました。
Why Don't More Japanese Patients Know About Dr.Matheson's Treat ment ?
なぜ、もっと多くの日本人患者がマセソン先生の治療法を知らないのでしょうか?
多くのアトピー患者さんが、私の治療を受けたことを他の日本人アトピー患者にうれしそうに話しますが、反面、話すことをためらっている人も多くいます。
ある若い女性は、過去にアトピーであったことを他の人に知られたくないと、なぜなら将来結婚する人の親が認めてくれなくなるからと言っていました。ある若い男性は、過去にアトピーであったという ことを言ったら、会社で仕事をさせてもらえなくなるとを恐れていました。 日本はそれが許されない社会のようです。
日本の多くのアトピー患者は、アトピーについての矛盾した情報、誰が本当のことを言っているのかわからない状況などを含め、彼らの治療法に失望しているようです。それ故に、交流というのは難しいものなのでしょう。インターネットは多くの患者さんにとって、簡単にそして有効にアトピーについての良い治療法を知ることを可能にしたに違いありません。
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How Do Patients Know They Can Trust the Safety and Effectiveness of Dr.Matheson's Treatment ?
患者がマセソン先生の治療法が安全でかつ効果的であると、どうして信じられるのでしょうか?
アトピーはアメリカにおいて何年にも渡り、広く深く研究されてきました。もっと詳細な情報が知りたいという人のために、最新の情報が載っている有名な科学文献のいくつかの記事を用意しました。私のアトピー治療は出版されているこれらの文献のような現在の科学的知識が基盤となっています。つけ加えるなら、これらの記事は誰でも確かめることの出来るものなのです。安全でもっと効果的な治療、 それはアメリカの治療プログラムにおいて最も重要であるとされています。
副作用は どんな治療にも起こりえるものですが、それは大変まれで、私の治療に至っては常に軽いものです。私のアトピーの患者さんで(アメリカ人でも日本人でも)ずっとひどい副作用を持った人などおりません。私の治療において妊娠や先天性欠損症などで問題があったこともありません。アトピーを上手にコントロールすることで、母親のス トレスを和らげ、赤ちゃんにとって良い結果となっていることのほうが事実です。
医師の必要な条件としての免許、及び資格はアメリカでは、継続医学教育によります。学習と会合への出席によって専門医がどこにいても新しい試みを発展させていることを知らせることが出来るのです。
私の日本人患者は、この治療法がなぜ日本で利用出来ないのかと聞きます。これについてはっきりとは言えませんが、アメリカの治療技術は世界でも最も高い質を誇っていると言えます。それ故に世界中の人達がアメリカでの特別な治療を望みやってくるのです。治療プログラム、薬、手続き、こ れら全ては制限のないものでなくてはなりません。そしてそれらは、いつも効果的な開かれた検査と探究により科学的に証明されるべきなのです。私の治療プログラムは検査に基づいて行なわれているので効果的で安心なのです。 私の治療プログラムは、新しい情報、新しい医薬、そして患者さんの体験に基づいて改善されていくのです。
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ドクターマセソンカリキュラムヴィタエ(履歴書 日本語版)
オレゴンメディカルリサーチセンター(1998年から)
皮膚科としての研究が(1979年〜1998年)皮膚科アソシエーション
クリニカルプロフェッサー−皮膚科部門、オレゴンヘルスサイエンス大学、ポートランド、オレゴン州
Diplomat – American Board of Dermatology
学歴
ユタ州立大学 – B.S. 数学科, 1969
サルズバーグとモザルテム大学、 1965
ユタ州立医学大学, M.D., 1973
インターン期間:ユタ州立大学関連の病院
医学,StraightMedicine
現在: オレゴン大学ヘルスサイエンスセンター
皮膚科部門, 1976-1979
協会: オレゴン大学ヘルスサイエンスセンター
皮膚科部門 , 1974-1975
メンバーシップ:
オレゴン皮膚科ソサイエティ
パシフィックノノースウエストソサイエティ
皮膚科アメリカアカデミー– Fellow
リスクマネージメントのタスクフォース
モルトノーマカウンティのメディカルソサイエティ、ポートランドオレゴン
オレゴンメディカルアソシエイション
モルトノマメディカルケア
皮膚科ソサイエティ、インベステゲイテブ
アメリカクリニックスタディ
アメリカンソサイエティ、皮膚手術 - Fellow
クリニカル研究グループ
参考書目、レクチャー、プレゼンテーション、科学展覧などはウェブサイトに載っています。
医療研究もウェブに載っています。300以上の医療研究、20以上がアトピーの研究。
OREGON MEDICAL RESEARCH CENTER, P.C.
「オレゴンメディカルリサーチセンター 総合皮膚科病院」
9495 S.W. Locust St. Suite G. Portland, Oregon 97223
ポートランド、平和な米国北西部の主要な都市、またオレゴン州で最も大きい都市としれ知られています。ウィラメット川とコロンビア川の合流地でもあり、”バラの街”(ポートランドの愛称)はマウントフッドそして、そのふもとに広がる森林等、様々な自然に囲まれ気候も非常に穏やかです。
また、近隣都市にはバンクーバー ワシントンも含まれます、バンクーバーは、150万人以上の住民と、第二次世界大戦以来ずっと高い人口増加率を 維持しています。文化的にポートランドは多く大学、交響楽団、そして バレエ、シアター、オペラ、美術館など様々な美術・芸術によってなりたっています。
オレゴンメディカルリサーチセンターは様々な医療機関の近くに位 置し、患者さんのための診察、新たな医学への研究開発を行っています。
オレゴンメディカルリサーチセンターチーム (医師、看護婦、専門家、および管理の人員)は、1つのゴールについて団結しています。”正確な治療を経て最良の結果を得る” が我々のゴールです。 礼儀正しく、倫理の取り扱いをすべての研究参加者に提供することの 私達の哲学は動揺しません。
最大限の考慮は、機敏で、丁重なケアそして、患者さんのニーズに応えることだと我々は理解しています。
オレゴンメディカルリサーチセンターは常勤所員を擁し、最先端の器材、実験機器、等の設備を完備し、快適な研究空間をサポートしています。 二人の常勤所員が看護、及び管理をし、専門分野での研究、テストに従事しています。
オレゴンメディカルリサーチセンターは多大なの過去皮膚病のデータベース 所有しています。
皮膚科学内での研究分野は主に次の分野です:
にきび HPA Axisの研究
アトピー性皮膚炎 Pharmacokineticの研究
Dermatophyte菌類 光学障害
糖尿病における足潰瘍 乾癬
頭髪、爪等の病気 Rosacea
湿疹 皮膚癌
抜け毛 皮膚剥離症
光化学療法 皮膚潰瘍
化膿
専門のスタッフによる細やかなケアはオレゴンメディカルリサーチセンター及び、そのスポンサーの誇りです。 医療チームとスタッフの知識と情熱はどんな難題にもくじけません。
*2005年 アトピーアソシエイションジャパン 設立
2006年から毎年秋に,ドクターは来日し私たちの質問に答え新しいアトピー治療についてのレクチャーをされています。
「私は,日本に行く理由は,友達や前の患者さんに会いに,
未来の患者さんへの自己紹介,アトピー性皮膚炎の説明,アメリカでのアトピー治療,患者さんからの質問や疑問のお答えするために日本に行っています。」(ドクターマセソン2006年)
■ドクターからのお手紙 2007年10月
15年前に初めて日本人の患者さんを治療し始めたとき、アメリカでのアトピー患者さんよりも酷い症状が診られました。ほぼ全員の患者さんはスキンケアの知識がなく、絶対にスタッフのバクテリアで感染していました。まだ日本には強いステロイド軟こうやプロトピックが入っていなかったので使っているお薬の数も少なく、アレルギーも少なかったです。治療の効果がすぐに現れ、感染や炎症を抑えすぐに皮膚を安定させることが出来ました。
9年前から患者さんの状態が変わりました。その頃でもスキンケアの知識がなく、感染も診られましたが、リバウンドの症状が診られるようになりました。その頃に日本で強いステロイド軟こうとプロトピックが公認されたので、間違った使い方でリバウンドを起こす患者さんが増えていきました。その同時期にヘルペスとヘルペスゾスター(水疱瘡からのウイルス)から炎症を起こしている患者さんも診られるようになり、空気中のアレルギーと接触性のアレルギーが増えていきました。リバウンドが収まるまでの時間と副腎が回復する時間が掛かるため治療が困難になっていきました。この時期にアレルギー検査とRUSHアレルギー治療が始まりました。皮膚の安定に時間が掛かるようになり、不規則なスキンケアでまた炎症を起こし、再感染を起こし、アレルギーへの接触から悪化などがよく診られるようになっていきました。
ここ5年間の間でも、治療に来る患者さんはまだスキンケアの知識なく、感染も起こしていて、なおかつ今までにも感染を起こして入院をされた方も見られるようになりました。お薬の数も増えており、リバウンドなども経験していて、空気中と接触性アレルギーの数も増えてきています。皮膚がものすごく不安定になっており、皮膚と免疫システムに変化が診られます。
その結果、治療が困難になっていき、もっと酷いリバウンドやアレルギーのトリガーが増えたり、RUSHアレルギー治療に反応したり皮膚がものすごく敏感になっていたりしています。皮膚の安定にも時間が掛かり、日本に帰国後でも炎症を起こす方が多くなってきています。そういう場合はデルタゾン、抗生物質や抗ウイルス剤などで対処しなければなりません。
今までの患者さんの治療効果がすごく良かったため、新規の患者さん達が過剰に期待してしまって現実的に治療を理解せず、魔法のような効果でアトピーを治せると思っている方も増えてきています。スキンケアやトリガーを探して避けるよりもお薬を使うだけでいいと思っている方もいます。アメリカでの治療はスタートポイントであり、それからは一生皮膚に気をつけて努力しないと治療が成功しません。
このプロジェクトで私の役目は:
患者さんの情報を得て、今までのアトピー暦を聞きます。アトピーが発症した歳と炎症が始まった場所、そのときの治療と効果、炎症のパターン、アレルギー性鼻炎と喘息の疑いやアトピーの家族暦など。
患者さんを診察し、炎症のタイプ、場所と大きさを診て感染を起こしているかどうか診ます。それからスキンケアを初め、皮膚のバリアを回復させ、お薬で感染と炎症を抑えます。
トリガーを探し始め、それらを避けたり反応を減らしたりするのが長期のアトピーコントロールに大切です。アトピー暦、診察とアレルギーテストでトリガーを探せます。多くの患者さんのトリガーは似ていることもありますが、みんなそれぞれ違うのでそれらを個人的に把握して避けることが大切です。日本に帰国した後にでも新たなトリガーを発見することもよくあります。
正しいスキンケアとバリアで皮膚を守ることはすごく大切です。スキンケアを正しく行うのには時間と努力が必要です。皮膚は一生守り続けなければいけません。
RUSHアレルギー治療は空気中と接触アレルギーのトリガーを出来るだけ減らします。
お薬も治療にはすごく大切な道具ですが、正しい使い方で、魔法ではなくスキンケアの代わりにはなりません。短い期間でお薬を使い、炎症を抑えることは可能ですがアトピーは治りません。
現在の患者さんは炎症がもっと酷く、難しくなっており皮膚が安定するまでもっと時間が掛かるかもしれませんが多くの患者さんには治療効果があり、治療を理解し一緒に皮膚を直していくことが大事です。
(ドクター来日,患者の会交流会2009)