

■ Dr.Matheson's Typical Atopy Treatment Program *2014.3 改定
治療は両親、そして家族の病歴を聞くことからはじまります。
患者さんによってそれぞれ異なる、アトピーを引き起す要因を理解することがもっとも重要なのです。
1 突然、もしくは自然に病気にかかった年齢
2 その人、もしくは家族のアトピーの経歴
3 引き金となる要素
a.感染
b.間違った入浴や肌の潤わせ方
c.肌を露出することからの刺激
d.日焼けや発汗
e.精神的ストレス
4 過去、そして現在の治療の再検討
*追加:家の中のトリガー(エアコンフィルター、カビ)、間違った洗濯方法と外干し、生活環境と住んでいる地域
過去、そして現在の治療の再検討、以前と現在の治療を見直すことは、特に今後リバウンドが起きた際に、その症状を コントロールする為にとても重要となります。
アレルギー歴、職業、衣類、ペット、 趣味などもすべて重要な情報です。
肌の検査はその人の体の概略を知る役割をします。肌タイプ、皮膚炎の分布状態、感染の形跡、引っかき傷の様子、これらすべてが引き金となる要素としての手掛かりを与えてくれるのです。
(肌の調子が改善されることのない、けれど使わないと激しいリバウンドに襲われる強すぎするステロイドクリーム)での連続的なステロイド治療(ステロイドジャンキー状態)を繰り返していた日本の患者さんは、治療を初めてたいてい5日〜 7日後くらいにリバウンドが発生します。2005年以降、最近の傾向としては、日本人の患者さんは強すぎるステロイド軟膏の連続使用のダメージを持たれている方が多く、治療期間中リバウンドを繰り返す方が少なくありません。リバウンドコントロールは安全に配慮された内服薬(デルタゾン)で対処します。
*リバウンドコントロール:ドクターが診察後リバウンドのリスクが高いと判断された患者さんには(長期間強いステロイド軟膏をほぼ毎日使っていた方など)はケアホーム滞在中などリバウンドが来た時にすぐにお薬が使えるよう対処し、リバウンド状態を和らげ、患者さんが自分でコントロール出来るようにコントロールします。ゆえに、日本でご体験されているようなつらいリバウンド状態を過ごすことはありません。ご安心ください。
患者さんには最初にコルチコルステロイド筋肉注射を初期の治療(正確には、“治療”ではなく、リバウンドを安全にのりきること、レスキューを目的としています。それほど、連続的なステロイド軟膏使用ダメージから、健康的な肌の回復には慎重な治療が必要なのです。)そして同時に 内・外服用の抗生物質をバクテリアコントロールのために使用します。 適切なコルチゾン製品の使用法については、別紙参照)
そしてさらに患者さんには、スキンケア、かゆみをコントロールする医薬について、正しい睡眠、肌を清潔に滑らかにすることを学ぶことからはじめます。
すべての患者さんに2週間ほどで効果が表れます。個々の同時進行していた治療から特定の変化が表れてきたのです。患者さんは知識として、適切で安全な、そして制限されたステロイド軟膏の使用について理解し、コントロールし始めます。
さらに、治療の調整をします。患者さんに必要な、引き金となりうる病状を見分けるためのパッチテスト(まれなケースです。)、単純ヘルペス、花粉症、接触アレルギー、刺激アレルギー、などについての追加の医薬を用意します。
この時点での患者さんの状態は、適切な医薬での処方、薬の正しい使用法を知ったこと、肌の取り扱い方を知ったこと、引き金となる要素をどうコントロールするかを知ったこと、そして彼らの生活において新たな自由を手にいれたことで、安定にむかいます。
高沢さんがアメリカでの治療、生活に必要なことなど、色々と面倒を見てくれます。だいたい1ヶ月、の滞在で日本に戻っていただけると思います。日本では明石さんがサポートしてくれます
20年間の経験があるので、ありとあらゆるアトピーケースを治療しています。リバウンド起こす方や、他の皮膚の病気も患っている方も含め、アメリカまで治療を検討している方達は難しいケースが多いですが、これまでさまざまな難関を治療しています。ベーシックなガイドラインとして治療の内容が初めは患者さんごとに似ているかも知れませんが、治療が進んでいくと治療方針も個人差が出てきます。一人一人にあった治療法を的確に探します。

■Dr.Mathesonのお手紙日本語訳(抜粋)
◆アトピー治療のアウトライン
患者さんの持っているバクテリアを退治し、同時に皮膚を治療をして、カユミを完全に止めます。 このカユミを止める事がこの治療の上で大変重要なのです。なぜなら、掻き傷が治らないかぎり、その傷の中でバクテリアが増え続けるからです。
朝20分、夕方20分、お風呂にはいり乾燥している肌に水分を与え、外からの刺激をシャットアウトする低刺激保湿剤、プラスティベースを全身に塗ります。 これには、薬剤は入っていません。 そして、鼻の中のバクテリアを退治し、体内に入らないようにするクリームを鼻の中に塗ります。 鼻の中にあるバクテリアを増やさないように、抗生物質軟膏を鼻の穴にまず1週間塗ってから、その後は毎月3回塗る事によって感染予防をします。 すべて研究に基づいた治療手法です。
◆アトピー体質のひとつとして
「ある種のバクテリアを体内に取り入れてしまい」やすく、そのバクテリアは最初、手などの接触により鼻の中で増え始めます。
鼻の中はじめじめして 暖かくバクテリアが増えるのには最適です。アトピー性体質でない人は、それが増えても何も影響はないのですが、アトピー性体質の人はそのバクテリアを取り込んでしまいます。 そして、体内からカユミが発生し、皮膚の下がカユイため、皮膚を掻き破りますそしてその傷もじゅくじゅく暖かいのでバクテリアの格好の住処となり、どんどん増えていきます。
ステロイド軟膏を塗って、一時的に皮膚の状態を治してもバクテリアを退治し、鼻から進入するのを防がないかぎり、 一時しのぎにはなってもすぐに悪化します。 人間には治癒能力がありますので、健康であればバクテリアに異常に増える事もないのですが、ストレスや体力の低下なで身体が弱っている時に爆発的に増える事もあります。 子供の時に少しアトピーがあり、受験や就職等でストレスが溜まり、心身共に弱っている時にバクテリアが増え、アトピー性皮膚炎が急激に酷くなる人が多いようです。
◆アトピー性皮膚炎治療の基本的な考え方
私が治療した日本からのすべての患者は、ポジティブで高い数値のStaph aureu(スタフ オーラウス)が、外皮と鼻孔からみつかりました。このバクテリアは、血流に循環し、皮膚炎を悪化させて、かゆさを増大させるexotoxin(エクゾトキシン)を生産します。Staph aureus(スタフ オーラウス)を減らすこと、または取り除くことでアトピー性皮膚炎をコントロールすることが可能です。
◆日本の患者さんへ「間違ったステロイドの使い方」
過去15年間で治療をした日本からの患者さんは、長期間、広範囲のステロイドを使用しており、または過去にその経験があり、その使用を急にやめたりと激しいリバウンドを引き起こしていたり、炎症部位がほぼバクテリアに感染しているため、 適切な治療が今すぐ必要な方ばかりでした。
そのような日本の患者さんから、ステロイドを使用する事において、不安や恐れがあると言うのは聞いております。そして、これまでの日本からの患者さんを治療して、どうしてステロイドを恐れるのかとと言う事も十分理解しました。
私の治療においては、ステロイドを安全に、なおかつそれを必要としなくなるのをゴールとして治療を致します。
ステロイドは、永遠に使用するのではなく、病気の治療薬として使用します。最初は広範囲に炎症を起こしていても、治療が進むにつれて炎症場面が狭まりそしてなくなります。
皮膚が正常になり、かゆみもなくなると、当然、内服、塗り薬などのステロイドを必要とはしません。しかし、アトピー性皮膚炎は、アレルギー疾患であるため、完全に体の中から取り除く事は不可能です。 その為、きちんと自分でコントロールする事を学ぶ必要がありますが、長期間、炎症を起こさずにコントロールする事が出来るならば、皮膚は丈夫になります。
丈夫になった皮膚は、バクテリアにもおかされず、乾燥する事も少なくなります。どのような病気でも、適切な治療を受けることで回復します。
■ステロイド軟膏の浸透性について
強力な、clobetasolなどの「超ステロイド」製品は深く、皮膚に浸透し、身体に吸収されます。
それらを顔面または、皮膚の薄い部位に使用はすべきではありません。なぜならそらのステロイド軟膏は皮膚をさらに薄くしてしまうからです。それらのステロイド軟膏を広い範囲で使用すべきではありません。
なぜなら非常に浸透しやすく、体内に吸収されやすいからです。また、これらのステロイドを長期間にわたって使用すべきではありません。なぜなら副腎の抑制を起こし体内でのコーチゾン生産が行われなくなるためです。
また、継続的に使用するとには、アトピー皮膚炎がステロイドに対して抵抗力をつけてしまいます。
さらに、これらの超ステロイド服薬をやめるとに、リバウンドによってアトピー性皮膚炎がこれまでより悪化します。
これらの超ステロイドは長所よりも短所のほうが多いため、アトピー性膚炎の治療には使用すべきではありません。
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*アトピーアソシエイションジャパン注釈
皮膚の表面を見て「軟膏を処方すること」をアトピー治療とは言いません。ドクターマセソンは治療としてステロイド軟膏を使うことはありません。アトピー治療として全体の病気を治療した後の、補足ツールとして指示されます。それもずっとではありません。
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■集中治療後は、バクテリアの感染、掻き傷を防ぐために指示通り指示の期間使います。
最も穏やかな効き目の物では(たとえばハイドロコルチゾン)は皮膚への浸透性は低く、また収されにくく、頻繁に安全に赤ちゃんの皮膚を含むどのような皮膚にでも使用することができます。
0.025%から0.1%までの濃度のtriamcinolone、 acetonideなど(前出の強力「ステロイド」よりも穏やか)一般的「ステロイド」製品は、皮膚に深く浸透せず、身体にも多量に吸収されません。
私の過去20年間のアトピー性皮膚炎治療において、内服(注射及び飲み薬)ステロイドの適切な期間の使用での深刻な副用を経験した患者は皆無です。 私は個々の患者に薬品服用させることにおいて、期間、安全のためのインターバル、分量、配合等、非常に注意をはらいます。 どのような効果的なツール(道具)でも、どのように適切に使うかを知っていることに安全のキーがあります。 これらの薬物は恐れる必要はないですが、適切な使用法が重要です。それらがアトピー性皮膚炎の治療においても重要なのです。
強いステロイド軟膏は指の先の炎症などに限定的に使うことがあります。これらは治療後のメンテナンスとして気をつけて使わないとメリットよりもデメリットが全面にでてしまいます。強い軟膏と内服薬、筋肉注射は全く概念が異なるものです。強い軟膏は患者が誤って使うリスクがあるが、注射などは3週間で効果が無くなるので、医者がコントロール出来るのでリバウンドが起こらないのです。


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*アトピーアソシエイションジャパン注釈
「ステロイドを使うのですか?」の質問に関して
患者さんすべてにステロイドを使うわけではありません。ドクターが診察し必要な患者にのみ適切な戦術の元使います。また、飲み薬や筋肉注射は基本的に日本人患者の特徴である「日本型ステロイド軟膏症」(長期に間違ったステロイドを使ってきた患者)「リバウンド症状」の治療(レスキュー)にしか使いません。
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◆Dr.Mathesonアトピー治療プログラム
メディカルアシスタントから。
日本から来られる、ほとんどの患者さんは、見た感じも皮膚は黒ずんだねずみ色か若しくは赤紫色をしていて、皮膚は分厚く、硬くなっていて痒みも強く、掻くと粉がはらはらと落下します。そしてとても乾燥していて、時には皮膚に亀裂があり、そこから体液が出てカリカリの状態で固まっていたり、じくじくと体液が止まらない状態の患者さんです。睡眠も充分に取れないのと炎症があるため微熱が続き、とても疲れています。
そして、食事や行動に制限があり普通の生活を送るのにとても難しい状態が続いています。学校も休学をしていたり、肌が表面的にもとても醜い状態のため、いじめの対象になっている患者さんもおられました。アトピー性皮膚炎は遺伝の為、完治と言う言葉は使えませんが、周りから見て、まったくアトピー性皮膚炎を患っているようには見えず、勿論、以前に象のような皮膚だったとは、想像がつかないほど普通の状態になります。
治療後は、痒みも、時々起こることはありますが、今までのような皮膚の下のもっと深い所の痒みと言うものは皆無になります。アトピー治療はけして簡単ではなく、一人一人の患者さんを診察し、触診や炎症の出ている箇所、今までの病歴など詳しく診察されます。
治療はすぐに始まり、まず、患者さんが一番辛い痒みを取ること、かゆみをとり睡眠が充分に取れることを早急にする必要があります。これらは、Triamcinoloneでそれらの2〜3種類の安全なステロイドのお薬をブレンドして(Dr.Mathesonが患者さんの症状や年齢、体重などにより、量も種類もブレンドされます)注射されます。
注射はすべての患者さんにされる事はなく、ドクターが必要と診断された場合に注射されます。注射をして30分〜1時間以内に効果を発揮し、1週間程で体内に排泄されるお薬と、ゆっくりと効き始め、3−4日くらいから効果を発揮し、4週間ほどで体内に排出されるお薬が入っています。(筋肉注射です。血管にする注射ではありません。)
注射は約0.5cc前後の量です。そして、飲み薬も始められます。飲み薬の抗生物質ですが、その種類は3種類あり
(Cephalexine 500mg , Cipro 500mg, Erythromycin 500mg ,Minecycline100mg)それらも患者さんの症状により組み合わせて投薬されることもあります。
痒み止めとしてのお薬も3種類あり(Hydroxyzine10mg、25mg、Doxepin10mg、25mg、Sinequan 10mg )これらも患者さんが痒みを感じる事なく眠れるために、組み合わせや量を調節して投薬されます。
これらのお薬を飲みながら、皮膚を柔らかくして乾燥をしないように洗剤Cetaphil(液体で泡をたちませんが皮膚の上に軽く手で伸ばすだけで汚れを分解します)やシャンプー(P&Sシャンプーは、頭の中にあるかさぶたを取り除き痒みを和らげます)、保湿際(Plastibaseは、皮膚の表面に膜を作り、皮膚から水分が蒸発するのを妨げ、又、外からの刺激から皮膚を守ります。)も使い始めます。
お風呂は、ぬるま湯に20分間浸かり、上がってからタオルで水分を抑えるようにして(けしてゴシゴシと拭いてはいけません)3分以内(この時間はとても重要で皮膚から水分が蒸発するまでの時間です)に全身にPlastibaseで保護膜を作ってしまいます。
リバウンドが起こる患者さんは、
日本で使われていた塗り薬、漢方薬などすべてのお薬を止めると、大体5日〜1週間でリバウンドが始まります。その症状としては、全体的な痒み、炎症が全身に広がりますが、お薬を塗っていた箇所は特に酷くなり、激しい痒みも起こり眠れなくなります。
リバウンド 症状が起こると、Deltasone(ステロイドの飲み薬で、3日間〜12日間を患者さんの症状にあわせて投薬されます)このリバウンドはどんなに酷くても1日〜2日で収まり始め、そのまま、治療は続行されます。1週間目が終わると、ほとんどの患者さんは痒みも収まり、皮膚もお風呂のたびに脱皮を繰り返し、みるみる炎症が無くなって行きます。自分で鏡を見るのが楽しみになって来るのも1週間目位からです。
全体的な炎症が収まりだすと、最初にアトピーが始まった所や、しつこく痒みがある所などがくっきりと現れてきます。その状態になって初めて、アレルギー(空気中のものにアレルギーがあったり、接触性アレルギーがあったり)があるかどうかがはっきりと分かります。
空気中のもの(花粉、樹木、ほこり、ほこりダニ、カビなど)にアレルギーがある場合は、治療は可能です。これはアトピー性皮膚炎を悪化させることもあり、そして治療をする事で、アトピー性皮膚炎が加速的に回復されます。
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■アレルギー治療(アレルギー免疫療法・イミュノセラピー)



■アレルギー治療は、アレルギー専門家のドクターベイカーの病院で行われます。そこでは、何についてアレルギーであるかをスクラッチテスト(上腕部の外側に約30種類前後の物質を、記しを付けて針の頭で引っ掻くようにしてつけて行きます)をして15分間そのままにして、何の物質に反応したかを調べます。それらも大きさや色で反応の具合を確かめます。
その後、もう一度同じ物質を皮下注射して、又15分間そのままにして検査します。それらの結果はその場で分かり、病院では、それぞれの患者さんの為に注射液が作られます。この治療は日本における減感作療法とは異なり、体内に持っているアレルギー反応を起こす物質を科学の力で包み込んでしまい、外からの刺激に反応しないようにしてしまいます。
この治療は、滞在中に2回に分け、1回に5時間を費やして行われます。その後は注射液を持って帰り、日本で近くのお医者さんで2週間に1回、注射を受けます。期間は約 〜6年です。この治療では喘息はほとんど完治した状態になります。皮膚の状態や季節の炎症も1年目くらいで、治療の効果は、はっきりと自覚されます。
ドクターベイカーが思うアレルギー治療の効果は、一つ一つの物質に対して治療をしていくというよりも、アレルギー検査を行って、反応するものに対して治療をし免疫を全体的に治療をするので、過敏になっている免疫を抑えるのが最終的なゴールです。それによって、さまざまなアレルギー物質と接触しても免疫が過敏に反応しなくなります。
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■ケアホームへの滞在


ケアホーム滞在中は、メデイカルアシスタントと毎日話しをして細かく指示を受け、分からない所や、症状が改善しない場合なども指示を貰います。メデイカルアシスタントはドクターと何時でも連絡を取り、お薬など特別な指示を貰うこともあります。
病院へは、週に1度行き、お薬の効果や肌の状態、睡眠、痒みなどの状態を患者さんから聞き、その上で、次のステップに入ります。3週間目くらいになると、汗をかくようになったりと皮膚の新陳代謝が活発になります。
この時期から、塗り薬が処方されます。ハイドロコルチゾン0.1% 、Triamcinolone0.1%(体用)これらのお薬も患者さんの状態に合わせて細かい指示があり、時には時間まで指定されます。鼻の中のバクテリアを抑えるお薬(Bactroban)の使用も始まります。
Dr.Matheosnの治療は、患者さん一人一人にプログラムを組み、安全で効果的な治療を施されます。深刻な副作用はまったく皆無です。ほとんどの患者さんが、病気から開放され気分も良くなり、食事が美味しく、良く眠るためふっくらとしてきます。
治療が終えて帰国される時には、細かく注意があり、患者さんを感染から守るために、ご家族にもブリーチのお風呂を1週間に2回、同時に、鼻に塗るお薬Mupirocinを定期的に続けてもらいます。
治療後の1年間は、高沢さん、明石さんと連絡を取り合い、暑さや寒さなど四季を通じてのケアーをし、その都度ドクターから指示やアドバイスを貰います。
1年間が過ぎると、ほとんどの患者さんは卒業です。炎症が時々起こることがあっても、ケアを続け時間と共に皮膚が健康になり生涯を普通の皮膚、普通の生活を楽しんでコントロール出来るようになります。
日本ではアトピーは難病だとか、不治の病などと言われ、就職や結婚にまで差し障りが出てきているようですが、そのような事はまったくなく、正確な治療は健康を損なわず、本当の健康を取り戻し、精神的にも安定して自然治癒力も後押ししてくれます。
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■ドクターマセソンアトピー治療で使用されるお薬とツール
以下のお薬と同名の日本製のお薬もありますが、それらに関しては下記の説明はあてはまりません。以下のインフォメーションはDr.Mathesonが使われるお薬に限定されます。
*日本のみなさんへ AA-J注釈-------------------------
アメリカでは医者が患者のバクテリアの量と質を判断して適切な治療をします。そのバクテリアを退治する適切なお薬を用い、同時に皮膚を治療して、かゆみを完全に止めます。
ステロイドの質は日本と全く異なります。強度ではなく浸透度が遵守されます。また,ステロイドを使うかどうかは医師が判断します。患者さん全員に使うわけではありません。
ドクターマセソンは日本の患者さんを診察されて、そのあまりにもずさんなステロイドの質、使い方がゆえに引き起こされている皮膚炎を理解することができません。そのような症状を治療するためのレスキューとして,必要な患者さんにはステロイドを慎重に使うことがあるのです。ゆえに,「アメリカのアトピー治療」=「ステロイドの治療」ではありません。また、ステロイドの治療をお奨めしているのではありません。
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*Triamcinolone(トライアムシナロン)注射
関節炎などの治療にも使われます。Corticosteroids(コーチコステロイド)と呼ばれる薬です。商標名としては KenalogR AristocortR(注射)
この注射は患者にどの位の量が必要か医師が判断して使われるものです。筋肉注射で、腕の上部、尻、腿など大きな筋肉の所に注射されます。効果は、1本の注射で約4週間継続し、その後体外に排出されます。
*すべての患者さんに注射をするということはありません。必要かどうかは医師の判断によります。
アトピーの治療をステロイドだけでする事は決してありません。水分を補給したり、アレルギーや原因を見つけてその治療をしたりと医師が、患者さんの症状に合わせて治療し、安全に薬を使うので、
「ステロイド治療」と言う言葉はアトピー治療にはあてはまらない。どのような薬でも、投薬を安全に効果的に使うのは、医師の責任において、患者にダメージを与えることは最小限度にとどめる。2004/12/12 ドクターマセソン
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*Tac(Triamcinolone(トライアムシナロン))軟膏、クリーム、液体
体用に使われますが、性器には使用しません。ステロイドとしては中くらいの強さですが、体内に浸透することは、ほとんどありません。広範囲に炎症がある場合は、これらの軟膏では効果が顕著ではありません。
毎日使用すると、皮膚が慢性化して効果が薄れていきます。その為、3日間塗って3日間お休みすると言うようなパルス法(リズムを取るように塗る、休むを繰り返します)でより効果的に使用します。
軟膏 :もっとも油っぽく重い感触です。
クリーム :肌には軽く感じます
液体 :頭の中などが痒い時には、使いやすく効果的です。
*治療や検査を行うためにレスキューとして使われる筋肉注射は
DexamethasoneとTriamcinolonとの混合剤です。
Dexが先に効き、Triamが3週間ほどかけてゆっくりと効いていきます。これは、日本での強すぎる連続的なステロイド軟膏をストップするための戦術です。
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*ハイドロコーチゾン
主に顔用に使われます。
軟膏/クリームがあり、顔の皮脂がどれぐらい回復するかによって使い分けます。
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*Cephalexine 500mg(セファレキシン)抗生物質
アメリカではとても広範囲に使われている抗生物質です。特に皮膚における疾患には効果的です。長期間服用し続けない限り副作用はありません。アメリカの医師の多くが安全性と効果を認めていて使用されています。
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*Cipro 500mg (シプロ)抗生物質
アメリカではとても広範囲に使われている抗生物質です。特に皮膚における疾患には効果的です。長期間服用し続けない限り副作用はありません。アメリカの医師の多くが安全性と効果を認めていて使用されています。
セファレキシンにアレルギー反応を持っていたり、セファレキシンに対抗性の疑いがあるバクテリア感染を起こしている方に使います。
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*Erythromycin 500mg (イライソマイシン)抗生物質
連鎖状球菌pyogenes(Hemolyticな連鎖状球菌)に効果的です。。
外皮、および柔らかい組織伝染に効果的です。 。
Erythromycinは、この抗生物質への過敏症の患者さんがいます。
吐き気、嘔吐、および下痢は、まれに飲み始めてすぐに起こります。
長期間飲み続けると、バクテリアや菌が繁殖することがあります。
蕁麻疹や他の外皮発疹などの穏やかなアレルギーの反応が起こることがあります。
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*Minecycline100mg(ミネサイクリン)抗生物質
小さい膿胞などがある時に効果的です。重症ではないにきびにも処方されます。
効果は穏やかで、長期間服用しても副作用はほとんど見られません。
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*Hydroxyzine(ハイドロキシン)かゆみ止め
抗ヒスタミン剤です。蕁麻疹または他の外皮病気に伴っている掻痒症に効果的です。慢性の蕁麻疹のケースが改善されることもあります鎮静効果もあり、乗り物酔い防止などにも使われます。
眠気を催します。長期間の服用が出来ます。
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*Doxepin(ドキシペン)かゆみ止め
Doxepin(Adapin、Sinequan、Zonalon)は抗鬱病剤としても使用されます。慢性のかゆみにも効果的です。関節炎、糖尿病、ヘルペス、緊張の為の頭痛、チック障害などにも効果的です。眠気を催します。長期間の服用が出来ます。
ハイドロキシンと組み合わせて使用することもあります。
ドクセペンは痒み止めとしての実験/治験が行われていて、本当の痒み止めとしてのデータが出ています。
本当のFDA実験データがある痒み止めの飲み薬は少ないです
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*Sinequan 10mg(セネクアン)
睡眠薬を常用している患者さんに使用されます。 抗鬱病剤です。長期の病気の為、欝状態から抜けられない患者さんにのみ処方されます。日焼けが起こりやすくなり、食欲が増します。眠気を催します。はきけ、めまいなどが起こりやすくなります。とても慎重に処方されます。
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* Cetaphil(セタフィル)顔、体用の洗剤
液体と固体がありますが、液体を使用されます。少量を手に取り、軽く全身を洗います。ケミカルウオッシュと言い、汚れを分解して皮膚に刺激を与えず清潔にしてくれます。どの患者さんにも使用されますが、トラブルの発生は皆無です。1日2回使用します。
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* Plastibase(プラスティーベース)保湿剤
この保湿剤は、薬品は何も含まれていません。そして肌に水分を与えるものでもありません。入浴をして水分が含まれた肌や亀裂のある肌から水分の蒸発を防ぎます。皮膚表面に膜を作り、水分を蒸発させない働きと、外気からの刺激からも肌を守ります。何の匂いも刺激もないので、どのようなタイプの皮膚にも使えます。
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* Exederm低刺激シャンプー
アトピー患者の方達にとって一番安全なシャンプーとなっています。
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* Deltasone(デルタゾン) 飲み薬
Prednisone(プレドニゾン)も同じものです。コルチコステロイドで出来た免疫抑制剤です。人間はこの物質を1日5mg自分の副腎で作っています。皮膚表面の亀裂や炎症に効果がすぐに現れます。その他、脳溢血や深刻なホルモンの病気などにも素晴らしい効果を挙げています。短期間に使用する事には問題はありませんが、長期間、少ない量でも使用すると色々な副作用が現れます。骨粗鬆症、糖尿病、不眠症、高血圧症などです。医師の指示に従って服用することが大事です。
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* Locoid 0.1%(ロコイド)クリーム
* Elocon 0.1%(エルコン)クリーム
Locoid、Eloconはもう使っていません。
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今はBetamethasoneになっています。
これは指用のみです。女性に多く、料理や子育てをしている方達によく処方されています。
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* claritin(クラリティン)飲み薬
アレルギーのお薬です。1錠(5mg)で24時間作用します。季節的にアレルギーが出る人は、服用すれば、アレルギーがかなり軽減します。アトピー性皮膚炎の痒みも軽減させます。眠くならないので朝に服用します。世界中で多くの患者さんが服用しており、安全で効果的です。
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* Allegra(アレグラ)飲み薬
アレルギーのお薬です。1錠(180mg)で24時間作用します。季節的にアレルギーが出る人は、服用すれば、アレルギーがかなり軽減します。アトピー性皮膚炎の痒みも軽減させます。眠くならないので朝に服用します。クラリティンと同じような作用ですが、人により、同じ効果ではありません。飲んでみて試すことが出来ます。
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* Acyclobia(アサイクロビア)飲み薬
ヘルペスのお薬です。ヘルペスはウイルスが原因で発病します。年に何度も発病する場合は、ウイルスが体内にあり、それをコントロールする為に100mgを暫く毎日飲む必要がある場合もあります。このお薬は、他の病気には作用しませんので、これを飲んでも病気が回復しない場合は、ヘルペスではないと考えられます。医師の指示に従って服用します。
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Fluconazole(フルコナゾール)
になっています。カンジダのお薬です。
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**お薬はすべてDr.Mathesonの診察によって処方されます。患者さんがご自身で選ぶことはできません。
インフォームドコンセント(治療内容の説明と同意)には,ドクターの指示を守るという同意が含まれます。
2014.3