■治療後のセルフケア
治療後帰国後は、ご自分の責任でケアを続けていきます。もちろん、急激な皮膚の異常(風疹、ヘルペス、蕁麻 疹など)が起きた場合はすぐに連絡をして下さい。皮膚が丈夫になってくると、多少のことは気にならなくなりますが、治療後1年位は、 下記のように気をつけてケアして下さい。
治療後1年位は、皮膚の状態は赤ちゃんの皮膚よりも不安定です。きちんとケアしているのもかかわらずかゆみが止まらない、同じ部分が赤くなり、痒くなるなど、少しでも何かあれば早目にご連絡下さい。
治癒は人にもよりますが、目安は、プラスティーベースがべたついて気持ちが悪いと言う状態になれば 、ほぼ、皮膚の状態は正常になったと見なす事が出来ます。
状態が悪くなった時は、メールで写真を添付して頂ければ、すぐに博士が診ることができ、処置も敏速に出来ます。 必ず、我慢せずに、ご自分で連絡してください。
1,体を清潔に保つ。汗をかいた時は、どんな場合でも工夫してシャワーを浴びるか、濡れタオルで拭きとって下さい。汗は皮膚の上にフィルム状になって残ります。
その下でバクテリアが増えますので、時間が経てば経つほど、当然バクテリアの量が増えかゆみが発生します。
2, 入浴は、朝、夜、必ず2回、人肌よりぬるい位のお湯に、最低20分間浸かる。首や顔には濡れタオルを掛けて、その上からお湯をかけてください。その後は、タオルで拭き取らず、水分を押さえる程度にして、3分間以内にプラスティ ーベースを薄く、全身に塗って下さい。
べたつく部分は、水と混ぜて使用して下 さい。もしかゆい個所がありましたら、プラスティーベースを塗る前にお薬を塗り、その上からプラスティーベースを塗って下さい。使用法は指示通り3日間使用して3日間休むを繰り返して下さい。
*注意:プラスティーベースは擦り込まず、皮膚の表面を覆うようにつけて下さ い。
3, 1日の内で、少しでもかゆみがあれば、必ずかゆみ止めを飲んで下さい。24時間に100mgまで飲むことが出来ます、かゆみ止めは、何年も続 けても副作用はありません。眠気をもようしますので、日中の車の運転などは控えて下さい。
4, 肌を乾燥させると、皮膚表面に目に見えない細かいひび割れが出来ます。肌の細かいひび割れからバクテリアが入りこみ、かゆくなります。その為、皮膚を掻いてしまい、掻き傷を作ることで、又、バクテリアの住みかを作ります。
冬場は特に乾燥します。プラスティーベースは、薬品が含まれていませんので1日に何回使用してもかまいません。小さなケースに入れて外出時に持ち歩き、頻繁に塗るように心がけて下さい。皮膚を洗ってからが良いのですが、上塗りだけでもかまいま せん。絶対に皮膚を乾燥させないようにして下さい。
5, どのお薬も(飲み薬、塗り薬とも)マセソン博士の指図通りに使用してください。副作用やステロイドの後遺症、リバウンド等の心配はありません。必ず、指示とおりの使用をお願いします。ご自分で考えて、お薬を止めたり 他の民間療法などをけして取り入れないで下さい。
今後のケア-をしていく上で、治療後写真付きで日記を付けるのはたいへん良い事です。 たとえば、かゆくなって寝られなかったりする日があれば、何処へ行ったか、何色の下着や服を着ていたか、素材はどんな物だったか、お布団のシーツや 枕カバーを変えた、洗濯石鹸を変えた、どの部分がかゆい等、暫く、こまめに付 けることで、ご自分のパターンが分かります。
皮膚が丈夫になってくると、多少のことは気にならなくなりますが、1年位は、 気をつけてケアして下さい。
6,症状に変化があったらすぐに日本オフィス、アメリカオフィスに連絡をする。
これまで症状が著しくて長期間過ごしていた方などは、治って行く過程でいろいろなことが起こることがあります。赤ちゃんのような皮膚が下からでてきてどんどん良くなりますが、ちょっとの事に反応してしまうことがあります。気温の変化、乾燥、習慣、アレルギーなどなどです。
そのような時はあわてずにデジタルカメラで症状を写真に撮って、アメリカオフィスに送ってください。博士が診察をして指示を出されます。
なにかあっても治療以前のように戻ることはありません。安心してください。「これくらいはだいじょうぶだ」と自分で判断することはよくありません。 また、我慢することはよくありません。アメリカオフィス,日本オフィスを通じてドクターとコミニケーションをとってくださいね。
1年ほどは慎重に(そんなに神経質に成らなくても良いですが)過ごしてください。
■アトピー治療のゴールは:発症させない=完治
治療後はそれぞれの生活に戻ります。治療後のセルフケアは治療以上に大切と博士は言います。難しいことはありません。博士の指示の通り毎日行います。全ての患者さんがアトピーのケアーに最適な条件で生活出来ることはとても難しいことですが、 生活して行く上でアトピーの制約を解決し、快適で健康な生活が出来るようになる事がこの治療全体ののゴールです。
治療のゴール/セルフケアのポイント
1、肌を乾燥させずケアを続ける。
皮膚は乾燥するとひび割れ、知らない間に亀裂が入ります。そしてかゆみが発生します。知らず知らずに引っ掻き、そこから感染して炎症が広がります。 指示通りお風呂に入ることは大変重要です。お薬を塗るよりも、水分を体に補給してそれを皮膚へ留めておく為にプラスティーベースを塗って水分を蒸発させないようにすることが大事です。そしてこれは、3分以内に行うことが必要です。この時間は水分の蒸発が始まる時間です。
2、我慢せず、早めに指示通りお薬を使う。
小さくポツと炎症が出来た時に我慢をせず、すぐお薬を塗ればその日のうちに治ってしまいます。かゆみ止めも我慢せず少しでも痒いと思えば飲むことです。
3、症状の変化を写真に取り記録する。
症状を写真に取りメールに添付して送ってください。博士からを指示をお送りします。お薬が出た時はそのむねをお伝えします。
これくらいは大丈夫だとか、この症状には000が効くと雑誌に書いていたから000を塗ったとかなど御自身で判断してはいけません。どんな時にこの症状がでた、こんな時この部分が赤くなった、こんなときかゆくなった等は自分自身のアトピーをコントロールする重要なヒントになります。
写 真をとり、コメントを入れて記録して下さい。後で見返すと同じ時期や同じ状況でおこった症状などの原因が分かり大変やくに立ちます。
4、空気中のアレルギー、接触性アレルギーなどを把握してケアーをする。
空気中のアレルギーは治療出来ますが、接触性のアレルギーは治療することが出来ません。しかし、自分で何がアレルギーか分かれば、それを遠ざけることでアレルギー反応を起こしにくくなります。ただ、このアレルギー症状は、いつ何処で発生するのか予測がつきません。アレルギーは急速に体中に広がります。アトピーは急速に広がる事はありません。
セルフケアのポイント
1、たばこは禁煙です。たばこの煙りと一緒に鼻からバクテリアが侵入します。職場での二次喫煙も症状を引き起こす原因になります、最大限の工夫を必要とします。
2、同居している家族にアトピー性皮膚炎を発生している患者さんは、バクテリアをコントロールしていても、同居している人が製造しているため、その人が触り、その上を触って鼻に触れたり、皮膚を擦ったりすると感染することがあります。
治療前のような炎症は起こりませんが、いつもむずむずと痒く、すっきりしない事が多くあります。指示通 りフィソヘクスでご家族もケアしてください。
3、空気中のものにアレルギーがあり決まったシーズンになったら、炎症が起こるかたにはアレルギー治療を博士がお勧めします。 接触性のアレルギーがにより炎症が起こるかたは、自分が何にアレルギー反応を起こすかを把握し、それから逃れることが必要です。
仕事などで、分かっていてもそこから逃れることが出来ない患者さんも居られるのですが、接触性のアレルギーは、それから遠ざかることで、アレルギー反応を鈍くすることしか方法はありません。職場などでご理解を戴ける様に、必要であれば診断書をDR.マセソンから貰うことが可能です。
4、運動は、レスリング、相撲、柔道など体を擦り合わせるスポーツ以外は、全て楽しむことは出来ます。汗をかいた後のケアー(シャワーを浴びて、汗を洗い流す)をしないで、そのまま乾いてしまうと、皮膚の上に汗がフィルム状になって張り付き、その下でバクテリアが増殖します。タオルで拭くだけでは取れませんので、シャワーが使えない場合は、タオルを濡らして、汗をぬ ぐいとって下さい。
5、睡眠はとても重要なことです。長い間、アトピーのため、色々な制約で暮らされていた患者さんにとって、治療後は何でも楽しまれることはとても良いことです。しかし、それが、つい油断になり、外泊や夜帰るのが遅くなり、お風呂に入るのが面 倒になったり、最低限必要なケアーを怠り、寝不足が続くと悪化する事があります。
治療後のみなさんへ、治療のゴールは。
治療後は、痒みから開放され、見た目にはアトピーとは分からなくなり、快適な生活がおくれるようになりますが、この病気を身体から完全に取り除き、体質を変えてしまう事は、現在の医学では不可能です。しかし、簡単なセルフケアを続けることで普通 の人以上に生活を楽しむことが可能です。
同じような例として、腎臓に疾患がある人は、特別な治療が必要でない場合も、塩分を控えたり、お酒を控えたりなどケアを続けます。糖尿病がある人さんは、インスリンを定期的に使い、甘いものを控えて生活しますね。アトピーを持っている患者さんも、少しのお薬や毎日のセルフケアをする事で、普通 の生活をして、外見も健康な皮膚を維持できます。
治療は魔法でなく、高度に進んだ医学を用いて治療されます。そのため一度治療をしたからと言って、あとは何をしてもかまわないと言うものではありません。自分自身のケアが大変重要です。しかし、これまでのように、毎日お薬を全身に塗り、色々な制約を受け、それでも痒みや肌の状態は段々と酷くなって行くと言うことは、まったくありません。
アトピーがなくとも敏感肌の人には、お化粧品には制約はありますね。時々お薬も必要です。
それと同じようになるというのがこの治療のゴールです。
健康で元気に働き、楽しんで人生をエンジョイできるように!

2010年02月09日
アトピー治療のゴールは:発症させない=完治
posted by AA-J at 16:33| ■治療後のセルフケアとゴール